う蝕予防セミナー

・う蝕を削ってをくり返している
・フッ素洗口が続かない
・間食のとり方をうまく伝えられない
日々の診療でこんなことに直面していませんか?

う蝕予防セミナー

う蝕を削っていませんか?

このセミナーは終了いたしました。

開催: 2023年12月10日(日) 受付: 9時15分〜
場所: エル・おおさか 〒540-0031 大阪市中央区北浜東3-14
参加費: 6,000円
定員: 30名 対象: 歯科医療従事者

う蝕予防セミナーの概要(レジュメより)

セミナーのレジュメの冒頭部分を紹介いたします。

下のレントゲン写真をご覧ください。

2011年12月撮影

この症例は、19歳女性の方で、左上の第一大臼歯の近心隣接面に象牙質までに達する透過像が確認されます。いつ、どのような方法で、アプローチするのがいいのでしょうか?

  • 早期にう蝕病巣を除去し、インレーを修復する
  • それともコンポジットレジンを充填する等々

おそらく、ほとんどの歯科医師が以上のような回答をすると考えられます。しかし私が最初に行うことは、う蝕のリスク診断です。

つまりプラークの質や口腔衛生状態、歯髄の感染の有無等の臨床症状を調べ、そしてう蝕の進行を左右する患者の保健行動やライフスタイル、いわゆる社会生態学的な診断を行います。

この症例は、早期発見、保健行動の改善による非修復的治療により10数年う蝕の進行が停止した事例です(下が2023年に撮影したレントゲン写真)。

2023年5月撮影

この事例は決して偶然的ではなく、非修復的治療という戦略をもって、う蝕にアプローチした結果です。このようなアプローチはORCA(European Organization For Caries Reserch)によるう蝕管理ガイドラインにおいても示されています。


う蝕予防の考え方から実践までをセミナーで紹介します

う蝕予防はカリエスフリーだけではありません。う蝕の進行を止められた状態のまま維持するコントロールもう蝕予防です。KWCでは削らずにう蝕の進行を止め、削らないでよい状態を維持する”処置”を「非修復治療(Non-operative treatment or therapy)」とよんでいます(*1)。

「非修復」について、日本歯科保存学会は「非切削」(『う蝕治療ガイドライン 第2版』)と記述しています。また欧州のカリオロジー学会(the European Organization for Caries Research (ORCA))は、non- or micro-invasively(非侵襲的または微小侵襲的)と記述しています。修復にともなう侵襲的治療の restration や interventions と対置しています。

削らなければならないう蝕と削らなくてよいう蝕を診断し、後者であれば非活動性病変として状態を維持する”う蝕コントロール”がう蝕予防です。

KWCは設立から一貫してカリエスフリーと並行して非修復治療にもとづいたう蝕予防を取り組んできました。う蝕における歯科臨床は、修復(介入)を続けてやがて抜歯に至る治療から転換し、生涯を通じた疾病・疾患の管理と歯質の保存に注力すべきと考えるからです。

う蝕予防セミナーでは、非修復治療のう蝕予防について、実習を交えた3つのプログラムを開催します。

う蝕を削る修復治療に疑問を持っていたらぜひご参加ください。

(*1)Ole Fejerskov・Edwina Kidd 編/髙橋信博・恵比須繁之 監訳 (2013). デンタルカリエス 原著第2版 その病態と臨床マネージメント, 医歯薬出版, Part IV 非修復的治療
─ 現在では、”non-invasively”という術語に変遷しています。

Program

う蝕予防の方法の前に

担当: 文元歯科医院 文元基宝

はじめに「このう蝕をどのように治療しますか?」という問題提起からはじまり、う蝕は減っているのかどうかを問いかけます。修復をくり返して、やがて歯は失われる悪夢のサイクルから脱けだし、非修復治療の考え方を前半に学びます。

後半は、文元歯科医院での非修復治療の症例を紹介しながら、う蝕の発症メカニズムとその原因因子の管理、う蝕のリスク診断方法、患者さんの行動的、環境的、心理社会的要因の分析と対話について実情をふまえて紹介します。

フッ化物応用でセルフケア

担当: 医療法人森岡歯科医院 森岡敦

フッ化物応用の基本とフッ化物洗口剤の作成法を学習します。家庭でのフッ素洗口はもっとも高い予防効果を期待できます。にもかかわらず課題が重くのしかかります。

その課題とは継続です。院内処方は課題を解決するひとつであり、院内でフッ化物洗口剤を処方できれば、患者さんの費用負担を軽減できます。「フッ素洗口しましょう」のスローガンでは続けられません。指導法もいっしょに学びましょう。

スナッキングカードの実習

担当: 管理栄養士

スナッキングカードはゲーム感覚で自分の間食をふりかえりながら間食の摂り方を学べるツールです。スナッキングカードの開発に携わった管理栄養士が使い方を紹介しながら参加者に実習していただきます。

間食とう蝕予防、間食とコモンリスクファクターを体験して、間食指導のコツをつかんでもらえます。診療室から「えっ? こんなに砂糖を摂ってるの?」と驚く声が聞こえてきますよ。

スナッキングカードが商標登録されました!

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